4−3戦法(基礎編) 角交換振り飛車のガイド②

戦法「角交換振り飛車」のうち、振り飛車の理想形である石田流に組んでいく「4−3戦法」の攻め筋、定跡について説明をしていきます。
この記事(戦法「角交換振り飛車」で勝利を掴め!)の続きとなっていますので、角交換振り飛車をもう一回基礎から復習したい!って方はこちらからどうぞ!

また、NHKの番組である将棋フォーカスにて、2016年NHK杯王者の村山プロによる講義「村山慈明の知って得する序盤術」で紹介された内容に沿ってます。なので初心者の方や4−3戦法を基礎から復習したい方は必見です!!

「俺居飛車党だし〜4−3戦法とか興味ねえし〜」って方、帰らないでください。
4−3戦法で攻められた時の居飛車側の対応もきちんと説明してますので、もう中学生のネタくらいためになります。

では参りましょう!!

43戦法 駒組みの流れ

前回までのおさらいです。
この局面で後手(盤面では上側)が角交換四間飛車でいくか、4−3戦法でいくかを決めるわけですね。

角交換振り飛車⑧

角交換四間飛車で攻める時はこの瞬間に角を取りに行くのでした。
4−3戦法で戦う場合は7二玉と指します。

自ら角交換はしないんですね。絶対に自分からは告白しないタイプの女子です。

ではなぜここでの一手が7二玉なのかというと、8三の地点を安定させるためです。
それによって、次に相手が角交換をしてきた後、6五角打ちという筋を防ぐことができます。

で、居飛車側が7八玉と囲いを進めてきたところで、4−3戦法の始まりです。
その第一歩は3五歩です。

この3五歩は4−3戦法の狙いである石田流を目指す上で必要な「飛車を3筋に振り直す」ための足掛かりとなるわけです。

4−3戦法の名前の由来は一旦4筋へ振った飛車を3筋へと移動させるから4⇨3戦法というのです。
結構単純なネーミングの割には語感がよくてかっこいいですよね。

相手が2五歩としてきたのに対し、飛車を4筋から3筋へ動かしましょう。
そしてここから石田流を目指していくのが今後の流れになります。

43戦法はそもそもなんで4→3なの?

実践編は次の記事から詳しくまとめていますので、ここからは4−3戦法を深く理解するためにも、序盤における気をつけたいポイントを掘り下げていきます!

…ということでまず、仮の姿であった4筋の飛車に関して、そもそも彼はなんのために4筋にいたのでしょうか?
このままでは「まず4筋に振る理由は何があるんでしょうか? 3筋じゃダメなんでしょうか?」と言われたら困ってしまいますよね。4−3戦法を使うなら、きちんと説明できるようにしておきたいです。

その理由は4三の地点を守るためです。先ほどの7二玉もそうですが、この戦法の序盤は8三や4三の地点を守ることが重要になってきます。

4筋に一旦寄った飛車はさしずめ三代目火影が死んだ後すぐに木の葉隠れの里に顔を出したイタチですね。そんで4三の歩がサスケです。まあ貯水タンクに穴開けてドヤ顔していた当時のサスケは歩のようなもんでしょう。ただイタチからしたらそんなサスケでも木の葉隠れの里より大事なんで、一旦4筋に寄ったと覚えておきましょう。
(意味がわからない方はNARUTOが好きな友達に聞いてください)

ということで、試しにいきなり3筋に振った場合どうなるか見てみましょう。

いきなり3筋!の落とし穴

飛車を4筋に振るタイミングで先に3五歩とついたシーンです。

ここで、居飛車の人は注目です!

相手が4手目に3五歩ときたら、4八銀では甘いです!ここでは6八玉が好手です。もはや格言として「3五歩には6八玉」と覚えておいてください!

そしてこの6八玉に対して、振り飛車側は4筋に寄らず一気に3筋まで飛車を回してみます。

見てください。この瞬間、8三と4四の歩が浮いていますね、ここが狙われてしまいます。
居飛車はすぐに角交換した後に6五角打ちが厳しい一手にできます。

これは振り飛車側はしんどいですね、受ける手がありません。
ところで、先ほど居飛車側に「3五歩に4八銀では甘い!」という話をしましたが、それは6八玉でなく4八銀としたらこの瞬間に振り飛車側から返し技を食らってしまうからです。

その返し技とは、なんだかわかりますか…?

 

 

「そうだね、6五角打ちだね。」

 

はい、この香車取りが受からないですね。銀のせいで飛車の横利きが失われています。ここまでを想定しての、さっきの格言なのです。

ちなみに、先程の6五角打ちで8三と4四を狙う攻めをされたからといって、振り飛車側はもう死ぬってわけじゃありません。その後の展開は研究されています。実際にどう受けるかというと、まず5二玉として4三を守ります。8三はしょうがないです。自分が女性だとして、街中を歩いていたら神のいたずらによって急に全裸になったしまった時、上か下どちらを隠すか二者択一を迫られるみたいなもんです。8三角成りとされたら、5五角打ちです。

居飛車側は6八玉のおかげで、7三桂馬で香車取りを受けることができますね。
これ対して振り飛車側は3六歩と攻めを続けます。

続けて、同歩、同飛車、3七歩打ち

そして7六飛車、7八金、ともう乱戦です。

この展開はプロでもなくはないけど、、っていう筋らしいです。難しい局面ですが、馬がある分、居飛車側が有利と見なされています。

ということで、いきなり飛車を3筋に持ってくのではなく、一旦4筋に途中下車するのがオススメです。乱戦もいいけどじっくりやろうぜ〜って方に4−3戦法はオススメです。

43戦法のまとめ

4−3戦法の序盤の駒組みや、4筋を経由する理由、気をつけたいポイントといった基礎的な部分をまとめました。ということで早速実践編の記事を読んで4−3戦法をモノにしていきましょう!

…ですが、マドンナ古文でおなじみ荻野文子先生も基礎の基礎が大事ということを何回も言っていましたので、まずはこの記事できちんと4−3戦法のいろはをマスターしてください!!

そして続きはこちらです!

4−3戦法(実践編:上)〜わずかなミスを、見逃さない〜

飛車を3筋に振り直した後の手筋を詳しく説明しています。
実践編と書いてある通り、対局に直結する手筋や知識が目白押しです!

また、他の戦法もまとめているので是非チェックしてみてください!

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それでは
カルボン酸太郎でした!

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