居飛車vs四間飛車、対抗型の定跡を解説します。
特に、居飛車が急戦を選んだ際に有効な「斜め棒銀(ななめぼうぎん)」の手筋を紹介します。別名「4六銀左戦法」です。
斜め棒銀とセットで覚えたい手筋「4五歩早仕掛け」については、以下に詳しくまとめてあります。斜め棒銀でも用いる「舟囲い」の解説もしてますので、併せてどうぞ〜
斜め棒銀は居飛車の手筋ですが、振り飛車側の受けの手筋も同時に解説するので、どなたでも勉強になるはずです!
本記事は以下の記事の続きですので、基礎から復習したい方はお先にこちらを!
では参りましょう!!
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斜め棒銀の導入局面
四間飛車vs居飛車急戦の基本図から解説をはじめます。
先手(盤面下)が居飛車
後手(盤面上)が四間飛車です。
後手が5四歩としたところです。
先手はこの局面で、4五歩早仕掛けでは4六歩でした。
斜め棒銀では4六銀です。
4六銀左戦法と言われるゆえんですね!
4六に銀を上げたのは、角頭を狙いに行くためです。
対して後手は1二香と、角のラインから香車を外します。
この受けは、振り飛車を指す人は多用するので、覚えておきましょう。
斜め棒銀の最高パターン
さて、ここから先手は仕掛けます。
3五歩です。
これを後手は同歩と取ってはいけません。
どうなってしまうか、見てみましょう。
同歩 → 同銀 → 3四歩打ち
しかしこの歩では追い払えません。
2四歩と、さらに攻めます。同歩には同銀です。
先手は見事、2筋を突破することができました。
5七の地点から、銀がななめにズンズン進撃していますね。まさに斜め棒銀です。
これが斜め棒銀の成功パターンです。
振り飛車は、正確に受け続ける。
では、この局面に戻ります。
振り飛車はここで同歩ととってはいけませんでした。
正しい応手は3二飛車です。
「戦いが起きた筋に、飛車を振る」
振り飛車を指す上で、これは鉄則です。むしろ飛車を自由に動かせるのは、振り飛車の特権です。中央での戦いを制することができれば、一気にカウンターをすることができますからね!
先手は、最高パターンこそ逃しましたが、まだまだ攻め筋は残っています。
2四歩と突き捨てます。開戦は歩の突き捨てからです!
同歩ときたら、3四歩です。
同銀ときたら、3八飛です。
3筋での戦いに飛車も参戦です。
さて後手はどうするか。
3八飛は銀に当たっています。
4三銀と逃げるのも一つの手ですが、次に3五銀と上がって来られるのが嫌ですね。
3四に歩を打って受けるのは、銀交換からの4一に割り打ちの銀で攻め込まれてしまいます。なので、この3五銀には手出しができないですね。
そしてその次に3四歩と打ち込まれると、角も下がるしかなく、後手は押さえ込まれてしまいます。
こうなってくると、後手はさばきにくくなってしまいます。
ということで、この局面に戻ります。
銀は逃げられないならば、どうするか…
斜め棒銀上級者の手筋
上級者の一手は4六歩打ちです。
そうです。タダです…!
しかしこの一手で同飛車を誘い、飛車を4六の地点にいさせることが後々の展開でつながってくるのです。
先手が同飛と取ってきたら、4五歩です。
さて先手ですが、おっ、銀がタダじゃん!
…といって、3四飛はマズイです。
その瞬間に後手は8八角成りです。
同玉としている間に、飛車を抜かれてしまいますね…
なので先手は自ら角交換を仕掛けましょう。
3三角成り → 同飛車 → 8八角打ち
4五歩早仕掛けでも出てきました、自陣角です。
後手はこのタイミングで、4六歩です。銀をとります。
先手は3三角成りですね。
ここで後手は、同桂と馬を取りたいですよね。でも取ってしまうと、3四飛と走られてしまいます。
それには4三金と受けますが、2四飛が良い手です。
この後2一に龍を作れそうですよね!
ここにきて2筋の歩の突き捨てが効いてきますね〜
なので、馬を単純に取るのは筋が良くないです。
ここで、先ほどタダであげた歩が効いてきます。4五銀が味な一手です。
飛車にあてつつ、銀を攻めに使える攻守に優れた一手です。
先手は3五飛と逃げますが、そのタイミングで3三桂です。
これも気持ちの良いさばきですね〜
馬を取りつつ、銀を紐付けることができる。攻守の一手です。
先手は仕方がないので、3三飛車成りと桂馬を取ります。
後手は5六銀です。
あれ…気がつけばこんな局面に。
振り飛車側が調子のいい手を続けた結果、居飛車はかなり押し込まれしまいました。
玉は美濃囲いと強固な守りで、さらに5五角打ちのような厳しい攻めの一手もあることから、この局面では振り飛車側が少し優勢といったところです!
この局面が斜め棒銀の一つ結果図となります!!
斜め棒銀(4六銀左戦法)まとめ
居飛車vs四間飛車で、居飛車の急戦の手筋の一つ「斜め棒銀」の定跡を紹介しました。
4五歩早仕掛け同様、居飛車には怒涛の攻め筋がありました。一方で、振り飛車側は上手に受け続ければ、最終的には振り飛車が優勢になるという結果でした。
やはり、定跡を覚えているかどうかで、将棋の内容、勝敗はだいぶ変わってきそうですね…!
四間飛車vs居飛車の対抗型は、斜め棒銀と4五歩早仕掛けの急戦と持久戦の定跡をマスターしましょう!飛躍的に棋力が向上するはずです!!
きちんと覚えて、どちら側を指しても勝てるようになりましょう!
それでは
カルボン酸太郎でした。
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