それなりに歳を重ねていくと、自分には普通の人より劣っている分野があることを度々感じますよね。
ある時僕は、他の人よりお米が食べられないことに気づきました。
厳密に言うと、一おかずあたりに食べるお米の量が少ないです。なんか物理用語の定義みたいでややこしいですね、すみません。「いちおかずあたり」なんて日本語は存在を許されているのでしょうか。
要は生姜焼き一枚でお米どれくらい食べれんの?って話です。
僕はこの「一おかずあたりに食べれるお米の量」を米力(kome-ryoku)と呼んでいます。
米力は大きく2種類に分けられます。
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米力 〜power〜
まずは先ほど例に挙げたケースです。
「生姜焼き一枚でお米どれくらい食べれんの?」
おかずを固定して考えます。生姜焼き一枚に対して同時に食べるご飯の量が多い人は、米力(power)が高いと言えます。
この力が強い人は、定食屋で大盛りを頼むことができます。
僕のような米弱者は、いくらお腹が空いていても定食屋で大盛りは頼めません。定食屋での大盛りはご飯のみ適用され、おかずは全然増えないからです。
ご飯の量が増えた時、一おかずあたりの米の量は必然的に上昇します。これがしんどいですね。
大盛りを頼んで残すのはどんな悪事よりも重い罪ですので、程度のわからない初見のお店では絶対に大盛りは頼めません。
米力 〜technique〜
米力にはもう一つ、powerのスタミナ性とは異なる要素があります。
それはおかずとして認められる守備範囲の広さです。
「私はコロッケでご飯を食べられます」
このコロッケに当てはまる部分が異質であればあるほど、米力(technique)が高いと言えます。僕はコロッケではご飯を食べられません。コロッケの実態はソースとすら思っています。
生姜焼きのような味の濃いおかずならお米はたくさん食べれるよって人は多いです。真価が問われるのは旅館の朝食の際です。あの質素なおかずでどうしろっていうんだ…
他にも肉じゃが、にもの、ロールキャベツ、etc…
ご飯のお供にそぐわないおかずは山ほどあります。
世の中にはその実力でよくおかず面していられるなって料理がたくさんありますが、その批判は間違っています。自分がそのおかずで米を食べる力がないだけです。
テクニックのある人間は、そのような批判は一切しません。どんなおかずでも文句を言わず黙々と米を食べます。
以上の通り、パワーもテクニックも兼ね備えて初めて米力が高い人間の仲間入りです。
「コロッケでご飯3杯はいける」人間はテクニックもパワーも持っていることになります。
さて、米力の高い著名人で真っ先に思い浮かぶのは、きっとドカベンでしょう。
見てください。ご飯とおかずのバランスを。こんなのありえないでしょう。
これがトップレベルの米力をもつ人間の食事です。
米力低いあるある
同士の方にはきっと共感してもらえる、米力の低いあるあるが何個かあるのでさらっと紹介します。
信じてたおかずに裏切られた絶望
例えば鳥の照り焼き丼を食べていて、煮卵が乗っていたとします。
この煮卵にも米を食べさせる力があると信じて後半までとっておいたのに、いざ食べるとパサパサで味も薄い時、ありませんか?
単独で食べるのもしんどいのやつだと最悪です。そうなるとエースの鶏肉で卵を食べる羽目になります。米に使うはずだったのに…想定外の出費に苦しみます。
おい煮卵!お前もっとできるはずだろ!!
味噌汁の安心感
定食屋で大盛りを頼む時の心境として、最悪みそ汁で流し込めば良い。それくらい安心感があります。漬物も頼もしいですね。
お茶漬けも同様、汁にしてしまえば米はいくらでも食えるのは不思議です。
米を料理として食べるモードに切り替える
何故だかおにぎりは余裕なんですよね。おかずの量少ないはずなのに。おそらく米を食べるモードになっているからでしょうね。
食事中どうしてもお米余りが確定した時、おかずでご飯を食べるモードを捨て、米を米として食べるモードになるしか道はありません。
そこでマインドセット「うすカルピス」を適用します。薄いカルピスだってカルピスと捉えるから薄いのです。水と捉えればちょっと甘い水になります。
見方をかえると、ご飯の素材の味を楽しめるようになりますよね。これでコメ余りはしのげます。
またこのことから「米が好き=米力が高い」ではないことがわかりますね!
弁当で米力を鍛えよう
最後に、僕がどうして米力が低くなってしまったのか、米力の高い人材はいかに輩出するのか。反省と展望を記します。
僕は中高生、一番米力が成長するはずの時期のお弁当で、あろうことかふりかけを多用していました。なんならおかずだけ一気に食べて、最後にお米にふりかけをかけて、米として食べてました。
ここにイシューが隠れています。一番の原因は、ご飯とおかずを一緒に食べる「常識」を知らなかったことです。つまり「おかず」の意味を理解していなかった。「唐揚げ」や「卵焼き」を単独の料理として食べていたのです。
これは我が家がエンゲル係数の高い家庭だったことに起因します。食事は何一つ不自由なく、贅沢に生きてきました。おかずだけでお腹いっぱいに出来たのです。主食という発想はなく、ご飯もまた一つの料理でした。
それでは米力が低いのは当たり前です。空腹を満たす上で主役は米であり、おかずは米を食べやすくする脇役。まずこの考えをインストールする必要があります。栄養バランス云々は二の次です。
私に足りないのは ”乾き” でした。
結局、ドカベンの弁当を食べ続けることが高い米力への一番の近道です。おかずが限られている弁当は米力の矯正にうってつけです。今からでも間に合います。やることはただ一つ。
More rice, Less dishes
米を増やせ おかずを減らせ
カルボン酸太郎でした。