最近よく耳にはするけど、詳しくは知らないコトって、そこそこありますよね?
Dydoの自販機くらいそこそこありますよね。
例えば、僕にとってそれは人工知能やAIでした。
それに加えてディープラーニングとか、機械学習とか、その領域周辺の用語も完全に知ったかぶりをしていました。
近い未来、この世界の常識を変えるような革新的な技術であることことはなんとなく知っていたのですが、そもそも人工知能とは?AIとは?と聞かれた時、答えられるほどの理解はしていません。
これではまずいな…
将来子供に「パパ〜AIってなに〜?」と聞かれた時にハピネスを歌って「歌手だよ」とごまかすハメになりそうだ。
そんな大人にはなりたくない。
ということで、こんな本を読んでみました。
人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?
この本は、プロ棋士に初めて勝利した将棋ソフト「ポナンザ」の開発者である山本一成さんの初著書です。
将棋が好きで、ちょうど人工知能について知りたいなと思っていた僕は、この本の存在を知った時「ワシのための本やないかい!」と思いました。
なぜなら僕は将棋が好きで、ちょうど人工知能について知りたいなと思っていたからです。(イザナミじゃないですよ)
ということで、この本を読んで僕が「なるほど、そういうことだったのか…」や「点と点だった知識が線になったわ」と感じたことを、ざっくりですが忘備録もかねてまとめました。
実際に本を読まないと意味がわからない箇所も多いので申し訳ないですが、興味がある方は参考にしてください!
要点のまとめ
コンピュータとプログラミングの本質
複雑で多機能に見えるコンピュータも、出来るなことは2つ。
①簡単な計算(ただしめっちゃ速い)
②記憶
「プログラミング」=「コンピュータがこの2つの力を発揮して、色々な問題を解決できるようにデザインすること」
知能とは何か
知能を持つものの活動、すなわち知的活動とは「探索」と「評価」の繰り返し
「探索」とは、未来を予測する力
「評価」とは、探索に目星をつけること
将棋における探索と評価は、その局面において、次の一手の目星(例えば、攻めるか、守るか)をつけた上で、先を読むこと。
コンピュータにとって将棋が難しい理由
将棋の何を、どのように計算すればいいかわからないから。
将棋を指すことは計算問題ではない→どう計算問題に落とし込むか
プロの棋譜を機械学習させることで、局面ごとの駒の点数を評価する力が向上し、だんだんプロのような手がさせるようになった。(教師あり機械学習)
人工知能のプログラマからの卒業
機械学習(教師あり学習)の導入で進化した人工知能は、「評価」を自分で学習できるようになった。
いちいち、局面ごとの点数の評価をプログラマが調整する必要がなくなった。
具体的には「戦法」や「囲い」といった合理的な戦術のプログラムを組まなくても、自然とその手を指す。
還元主義的な科学からの卒業
解釈性と性能のトレードオフ
→人工知能の性能をあげると、なぜ性能が上がったのか説明するのが難しくなる。
特に人工知能の性能をあげるディープラーニングの領域でよく起こる。
もはや黒魔術。けれどそれでいい。
時計職人は、時計がどのような仕組みでできているかわかっているので、性能をよくするやり方もわかる。(還元主義)
しかし人工知能はそういうわけではない。ポナンザの作者の山本さんも、ポナンザの性能を100%説明できない。
知能と知性
知能…目的に向かう道を探す能力
知性…目的を設計できる能力
人工知能は、知能では人間を超えられる。けれど知性では超えられない。
人間はPDCAサイクルを回す。人工知能はDo(探索)とCheck(評価)しかできない。
人間がプログラムを書いている以上、それを変更できるような仕組みはない。またプログラムで「中間の目標」を書くことは不可能に近い。
プログラムを書くプログラムが、今はまだ赤ちゃんレベルだがディープラーニングで成功している。
もしかしたらSF映画のような暴走する人工知能が出現する世界もあり得るかもしれない…
最後に
AIや人工知能に興味があっても、難しそうなイメージもあって本を読むのはハードルが高いですよね。
けれどこの本では、ポナンザが強くなっていく過程を土台に人工知能の話を展開してます。
なので将棋が好きな方なら、最初のとっつきにくさからくる障壁はすんなり越えられます。
それに加えて、囲碁やチェスのAIとの違いという観点から、機械学習・深層学習・強化学習の本質も、わかりやすく勉強することができます。
また、人工知能の概論や、著者の考える人間と人工知能の違いなどにも言及しているので、一冊で体系的に理解ができます。
なのポナンザはもちろん、人工知能の一般的な知識や概念にも触れることができるのが良い点だと思います。
読み終わる頃には人工知能とは?という質問にも答えられるはずです!
もし興味がある方は、是非この本を読んで人工知能の基礎を学んでみてください!!
それでは
カルボン酸太郎でした。