ふと、思うことがある。
ルイ・ヴィトンって言わずもがなの高級ブランドだけど、ヤンキーが使いすぎてヤンキーの代名詞みたいになってない?
これってブランドイメージとしては良くないんじゃないのか?
しかし誰もが憧れる高級ブランドって、どうやってその存在を創りあげたのだろう。そしてどう保っているのだろう。
というか、そもそも「ブランド」って何?
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こんにちは。生粋の理系人間、カルボン酸太郎です。
おしゃれ、経済、マーケティングとは縁遠い人生を送ってきました。
そんな僕ですが、ふとブランドにまつわる様々な疑問が湧いてきました。
・そもそもブランドってなんだ?
・モノの価値って中身とそれ以外のどっちが大事?
・ヒット商品ってどうやって生まれるの?
・皆に愛されるブランドのイメージ戦略とは?
同じような疑問をお持ちのあなた、同志ですね。まじ意味わかんないっすよねブランド。
てことで、本でも読むか〜と探した結果、良さげな本を見つけました!
それがコチラ
このタイトル、この見た目、きっと本物だ。
無駄な装飾、過剰な煽り文句のないタイトルは、中身に自信があることの証明だ。絶対にブランドの本質が書かれている。
早速購入。この堅そうな見た目に反してめっちゃ読みやすい文章だな。200ページだしさっくり読める。
ふむふむ。ポッキーが何故ロングセラー商品になれたのか…なるほどね。コカ・コーラの大胆なリニューアルがファンに受け入れられなかった理由…ほお、そういうことか〜〜
完璧に理解しました
いやー面白い!身近な例を出してくれるので、自分の持つイメージと結びつけて理解しやいです!グリコのポッキーやコカコーラ以外にも、無印良品、日清カップヌードル、花王、ベンツ、ラルフローレン…etc.
高級品から日常品まで、色んな分野の色んな事例に基づいてブランドとは何かを説明してくれます。
加えて
「単なる商品名に過ぎないものが、ブランドとして価値をもつ過程」
「ブランドを形作るのは生産者か、はたまた消費者か」
「高級ブランドが安い商品を出すこと、違うカテゴリへ進出すること、正解のない苦悩」
この辺りも丁寧に解説してくれます。気になってうずうずしてきたあなた!
是非手にとって読んでみてください!
ここから先は僕の感想、要約、コメントです。つまり読む必要はありません。笑
本を買うか悩んでるあなたは、参考程度に眺めて見てください!
カルボン酸太郎でした!
「ブランドー価値の創造」 要約&メモ
以下、特に面白かったところを抜粋し、ページ数と見出し、一言メモなどでまとめてます。長いので気になるところだけどうぞ!
ブランド価値はどこから生まれるのか?
P.9
このブランド価値が誕生に関する理論はない(確かにわかってたらみんなやるよね)
ブランドの成り立ちは2パターンと言われている
・ブランド自然選択説:消費者に選ばれた、生き残り→「ポッキー」は売れたから存在している
・ブランドパワー説:制作者の想いや夢、世界観やビジョンに本当に価値がある→「ベンツ」に込められた想いが、そのまま消費者に伝わっている。
この権威性はある意味貨幣に似ている。一万円札そのものに価値はない。(紙切れなので)でも外的権威(日本の信用力)のおかげで価値を保証できる。
この本では、上記2つのいずれかに無理に当てはめて考えない。むしろ「これらに還元しえない何か」がブランド価値である。というスタンス。
現存するブランドの実態を紐解くことで、輪郭を理解する試み。
ヒット商品≠ロングセラー商品
まずヒットするには商品自体の良さが必要。これは絶対。
ヒット商品は偶然生まれるけど、ヒット後に予算をかけ、マーケティングをし、手塩にかけないとロングセラー商品にはならない。商品定義をきちんと行い、新機軸を打ち出していく。
そうして育てていった商品はブランド価値をまとう。つまり、ブランド価値の高いロングセラー商品は、偶然生まれない。
ブランド=名前なの?
p.38~, p.67~,
ものによる。それはネーミングの由来によるから
ネーミングは技術の軸と機能の軸で、2✖︎2の4パターン。(②と③を厳密にわけるのは難しい。)
①機能と技術が限定的:熱さまシート
②機能だけ限定的:植物物語(植物油脂という技術をもとにシャンプーだけでなく、化粧水とかボディケアという近い機能を横断してカテゴリーがある)
③技術が限定的:フェラーリ(スポーツカーという機能に対して、様々な違う技術を搭載した色んな車を提供)
④機能と技術が自由:無印良品(何でもあり。この④だけ異質。展開している商品の機能や技術に共通点はなく、むしろ無印良品というブランドが共通点。)
いわゆる「ブランド」っていったら④を想像するよね。P.74~
商品名が名前からブランドへ昇華する
P.112〜,p.130〜ウォークマンで解説
最初は名前は製品と1対1。主従関係は、モノが主だ。名前はモノを説明する為に存在する。
iPodも最初はただの「アップルのオーディオプレイヤー」の名称だった。
しかしiPodの「名前が可愛い」など、「アップルのオーディオプレイヤー」にはない特徴を帯びてくると、だんだん主従関係があやふやになってくる。そこからiPodの名前の方が有名になってきくると「アップルの電話もできるオーディオプレイヤー」は「iPhone」として発売される。
こうなるともうただ商品を記述する言葉の羅列ではなく、立派なブランドだ。
ここから、ブランドとして育てていくか、他の領域に展開していくか、が超難しい。各企業が悩んでいることだよね。って話
その製品とブランドを切りはなせるかが、ブランドの寿命を延ばす鍵になる。(p.122)
ブランドが時代を超える挑戦
p.163
20代向けで開発しヒットした化粧品。20年経った今、当時20代だった女性は40代。
さて元々若者向けで生まれたこのブランドで商品を出すとき、今の20代に向けて出す?このブランドが好きな40代に向けて出す?
これ超むずい。答えもない。失敗した時が、そのブランドの終わり。
ベンツが軽自動車を売るか否か
p.167
超難しい。売り出すにしても、名前をどうつけるかが鍵。ベンツブランドていくのかどうか。
でもそれは高級ブランドが比較的安い車を出すか否か。が問題なのではない。「技術」という価値を携え、ベンツの存在意義があるから幅広い領域に進出してきたわけだ。同様に軽自動車も「ベンツ」だから提供できる価値があるのかどうか、他と差はあるのか。が争点である。
結果、違う名前で出した。
ブランドは3段ピラミッドで説明できる
p.90〜
①(一番上)ブランドアイデンティティ
→真のブランド価値。不可知。言葉にできない。言葉にした瞬間に②になる。
②コード・スタイル
→ブランド価値を言葉で表そうとしたもの。憲法。リッツカールトンなら「クレド」。無印良品なら「シンプルさ」
③(一番下)ポジショニング、コンセプト、製品、などなど
→消費者と触れ合う部分。時代、環境によって変わる。ブランド価値を表現するものの一部。
ディドロ効果を取り入れる
p.187~
どうぶつの森でよくあるな〜笑
モノクロの家具を一つ貰ったとして、一つだけで使う人いないよね。シリーズで集めたくなる。
だからラルフローレンは、ライフスタイルを全て提案してる。こんな生活いかが?それに必要なものは全てラルフローレンで手に入るよ。そういうカテゴリー縦断。消費者の買い物の選択にも干渉できる。
まとめ
「このブランドは高級ですよね」ってみんなが思い込んでいるから成り立つのでは?
これを高級ってことにしましょ。だからこの高級のものを持っていたらすごいでしょう。
みたいな。それ、ダサくないですか。って誰かがぶっちゃけてその魔法を解いてしまったら、どうなっちゃうの?
そう思ってたけど違うね。みんなが思い込んでたというか、思い込ませてたわけだから。確かに魔法がけたら困るけど、ブランドマネージャー達がそうならないように必死で考えて、積み上げてきて今に至るわけだ。そう簡単に崩れないだろう。
あとは消費者たち。そのブランドファンの人たちの協力がある。みんなでそのブランドが作り出す世界に価値を感じようぜっていう協力の姿勢も大事。
そしてそのブランドの商品が高いってのは、その世界の入場料が高いってこと (p.181)
入場料を高くすれば、他の同じ商品に対して優位性を作れる。
そういう意味で、ヴィトンのファン、ヴィトンの世界に住む住人は、ヤンキーの代名詞になっていてもなんとも思わないだろう。それはヤンキーの代名詞と思っているのは俺みたいな外部の人間だけだから。
しかもそれは、ヴィトンが数ある高級品のうちの一つだと思っている証拠だ。高級品を持とう、じゃあ何にしよう。という考え方だから、ヤンキーうんぬんを気にするのだろう。ヴィトン側そんな俺はターゲーっとではないだろう。
もしかしたら、ヤンキーがよく買うものはそれはそれでよく売れるから売るとして、そこと差別化した商品ーそれは値段もデザインも何もかもーを売り出すことで、顧客に応じたブランド価値の提供をしているのかもしれない。
以上〜〜